ひとごみがきらいだからとシューターを選んだあれは 十一の夏 / ダ・ヴィンチ2017年9月号「短歌ください」より *テーマ「スポーツ」 穂村弘選
やまいだれの部屋にひとり寝ころびて ただ横棒を眺めていたり / 東京新聞 2017年10月15日「東京歌壇」より 佐佐木幸綱選
だれのせいでもなく朝がおとずれて遠くの空で鴉が鳴いてる / 日経新聞 2017年12月9日「日経歌壇」より 穂村弘選
泣きそうになるためだけの黄昏のひかりと音と風と言葉と / 角川短歌2018年3月号「角川全国短歌大賞」より 永田和宏選 佳作
かなしみをごまかすための回想と多弁の夜の三時は長い / 東京新聞 2018年4月1日「東京歌壇」より 東直子選
着ぐるみが小さなじぶんを配ってる 駅前 ひとはそれほどいない / ダ・ヴィンチ2018年5月号「短歌ください」より *テーマ「ぬいぐるみ」 穂村弘選
夜桜が好きだと言ったぼくたちはかなしい夢を見ても生きてく / 日経新聞 2018年4月21日「日経歌壇」より 穂村弘選
たんぽぽは黄色いきのこと言うきみのまぶたは春の平和のかたち / 東京新聞 2018年5月20日「東京歌壇」より 東直子選
優しくて幸せすぎない夢がいい 夜の通りをほんのり照らす / 東京新聞 2018年8月5日「東京歌壇」より 佐佐木幸綱選
疲れたね 小石みたいなひと粒のぶどうを吸って皮だけすてる / 東京新聞 2018年9月9日「東京歌壇」より 東直子選
柴犬のゆめのなかではぼくもまた 蝶々になったり きっとするんだ / 日経新聞 2018年9月29日「日経歌壇」より 穂村弘選
もうないよ、と言えずにぼくら搾っては零れるしずくの笑みで触れ合う / 日経新聞 2018年11月24日「日経歌壇」より 穂村弘選
あなたとのあいだをつなぐ蝶道のやうにはなうた歌ふ 届いて / 東京新聞 2018年11月25日「東京歌壇」より 東直子選
丸められきっとあなたの手のひらでゆっくり溶けてそれから、うれしい / 東京新聞 2018年12月23日「東京歌壇」より 東直子選
あかるさのなかにかるさのある世界わたしひとりがおもみで浮いて / 角川短歌2020年3月号「角川全国短歌大賞」より 永田和宏選 特選
